今回は東北大学2025年度入試の物理第2問について、細かく解説していきます!問題は解説の都合上、部分的に掲載しておりますが、フルPDFが欲しい場合は大学のホームページや予備校のサイトから入手してください。

前提

[問(1)] 抵抗のある回路の磁場空間への落下運動

(a) 磁場に入る瞬間の速度と電流

まず、使用する公式をまとめていきましょう!

$$ \color{black}{誘導起電力:E = \frac{ \Delta \Phi }{ \Delta t} (向きは磁束変化を打ち消す方向)} $$ $$ \color{black}{磁束: \Phi = 磁束密度 \times 面積} $$ $$ \color{black}{オームの法則:V = RI} $$

磁場内に入るまでは重力しか働かないため、力学的エネルギー保存則より、

$$ \color{black}{ \frac{1}{2} mv_1^2 – 0 = mgh} $$ $$ \color{black}{ \therefore v_1 = \sqrt{2gh} } $$

回路の落下中は回路内の磁場は増えるため、回路内の磁場が減る向きに電流が流れます。→(イ)

回路が磁場内に入るとき、回路が磁場に入っている部分は、

$$ \color{black}{ v_1w \Delta t} $$

よって、回路の起電力の大きさ𝐸は、

$$ \color{black}{ E = \frac{ \Delta \Phi }{ \Delta t} = Bv_1w} $$

また、オームの法則より、

$$ \color{black}{E=RI_1} $$ $$ \color{black}{ \therefore I_1 = \frac{Bv_1w}{R} = \frac{Bw}{R} \sqrt{2gh} } $$

(b) 磁場内で回路が減速する条件

磁場内で回路の下の辺が受ける力は、

$$ \color{black}{I_1Bw} $$

力のつりあいより、落下速度が減少するには、

$$ \color{black}{I_1Bw \gt mg} $$ $$ \color{black}{ \Leftrightarrow \frac{ \sqrt{2gh} }{R} (Bw)^2 \gt mg} $$ $$ \color{black}{ \therefore h \gt \frac{(mR)^2}{2(Bw)^4} g} $$

(c) 回路全体が磁場に入る時の速度

回路の下の辺が磁場に入ってからは、重力による位置エネルギーが変わりつつ抵抗のジュール熱が発生します!それを考慮して、エネルギー保存則(重力による位置エネルギーの基準点を𝑦=0)より、

$$ \color{black}{ \frac{1}{2} mv_1^2 – mgh = \frac{1}{2} mv_2^2 + Q -mg(h+l)} $$ $$ \color{black}{ \therefore v_2 = \sqrt{2g(h+l) – \frac{2Q}{m} } } $$

(d) 回路が全て磁場に入ってからの運動

𝑡>𝑡2のとき、回路内の磁場は変化しないため、電流は流れません!

ということで、働く力は重力のみになるため加速度は鉛直下向きで𝑔になります。よって、加速度運動の公式より、

$$ \color{black}{v_1 = v_2 + g \Delta t} $$ $$ \color{black}{ \therefore \Delta t = \sqrt{ \frac{2h}{g} } – \frac{v_2}{g} } $$

(e) 回路に流れる電流のグラフ

まず、回路が磁場に入る前&回路全体が磁場に入り切った後(𝑡<𝑡1, 𝑡>𝑡2)は回路内の磁場が流れないため、電流は流れません!→(あ)(え)(き)

そして、残りの区間(𝑡1<𝑡<𝑡2)の電流は(a)より回路の速度に比例&回路は減速するため、電流の大きさも減少します。→(あ)(い)(う)

以上から、答えは(あ)に絞れます。

[問(2)] コンデンサーのある回路の磁場空間への落下運動

(a) 落下中のコンデンサーの電気量

コンデンサーに関わる公式を確認しましょう!

$$ \color{black}{コンデンサーの電気量:Q=CV} $$ $$ \color{black}{コンデンサーの静電エネルギー:U= \frac{1}{2} CV^2} $$

落下速度が𝑣のとき、問(1)(a)より起電力𝐸は、

$$ \color{black}{E = Bvw} $$ $$ \color{black}{ \therefore q = CBvw} $$

(b) 落下中の加速度

流れる電流を𝐼とすると、

$$ \color{black}{I = \frac{dq}{dt} = CBw \cdot \frac{dv}{dt} = CBwa} $$

運動方程式より、

$$ \color{black}{Ma = Mg – IBw = Mg – C(Bw)^2a} $$ $$ \color{black}{ \therefore a = \frac{M}{M + C(Bw)^2} g} $$

(c) 落下中のコンデンサーの内部エネルギー

到達時刻を𝑡=𝑡’として、加速度運動の公式より、

$$ \color{black}{v = at’} $$ $$ \color{black}{ \frac{1}{2} l = \frac{1}{2} at’^2} $$ $$ \color{black}{ \therefore t’ = \frac{v}{a} , v = \sqrt{al} } $$

コンデンサーの静電エネルギーの公式から、

$$ \color{black}{U = \frac{1}{2} CE^2 = \frac{1}{2} C(Bvw)^2 = \frac{1}{2} C(Bw)^2al = \frac{C(Bw)^2}{2 \{ M + C(Bw)^2 \} } Mgl } $$

あとがき

いかがでしたでしょうか?ガッツリの力学融合問題でしたが、一つ一つの問題はシンプルなので、それぞれの状況に応じた立式を落ち着いて行いましょう。力学メインの問題と違って運動もシンプルなため、場面ごとに働く力や運動のイメージを考え、その状況を電磁気絡みの式に落とし込んでいきましょう!!

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